「タイガー：裏切りのスパイ」は、インド映画界におけるスパイアクションの最高傑作の一つとして称賛される作品です。物語は、国家諜報機関RAWのエージェントであるタイガーが、アフガニスタンでの任務中に命を落とした同僚を救出しようとする際、妻のゾヤが二重スパイではないかという疑惑に直面することから始まります。
サルマーン・カーン演じるタイガーは、彼の信念と任務に忠実でありながらも、愛する妻への疑念に苦しむ姿が観客の心を掴みます。カトリーナ・カイフが演じるゾヤも、複雑なキャラクターとして魅力を放ち、物語の展開に深みを与えます。
物語は、RAWとパキスタン軍統合情報局ISIの間での緊張や陰謀、そして国家を超えた愛と忠誠心をテーマにしています。アクションシーンは圧巻であり、特に橋の上での迫力満点の戦闘や政府機関内での銃撃戦は、観客を息をのむような緊張感の中に引き込みます。
しかしながら、物語の終盤での自爆シーンは賛否両論を呼ぶかもしれません。それでも、この作品はエンターテイメントとしての魅力に溢れ、観客を思考させる要素も兼ね備えています。インド・パキスタンの緊張関係や世界情勢に触れながらも、愛と勇気の物語が鮮やかに描かれています。
「タイガー：裏切りのスパイ」は、インド映画のファンやスパイアクションの愛好家にとって、見逃せない作品です。その複雑なプロットと魅力的なキャラクターたちが、観客を魅了し続けることでしょう。
2023年製作／156分／R15+／インド
原題：Tiger 3
配給：ツイン
劇場公開日：2024年5月3日
