映画 青春ジャック 止められるか、俺たちを2

時は1980年代、名古屋。社会は熱くなることを忌避し、映画館離れが進む時代。しかし、そんな中で若松孝二監督が勇気を持って名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げた。この映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』は、そのシネマスコーレを舞台に、映画に生きる若者たちの青春群像を描いた作品だ。

結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンとなった木全純治が、若松監督に抜擢され、シネマスコーレの支配人として奮闘する。木全は明るさと熱意を持って、経済的危機を乗り越えようとする姿が描かれる。そして、シネマスコーレには映画に魅了された金本法子や井上淳一といった若者たちが集まり、彼らの青春が煌めく。

前作同様、井浦新が若松孝二を熱演し、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が演じる。井上淳一が監督・脚本を手がけ、自らの経験を元に、映画愛に溢れた作品を創り上げた。

映画の舞台は1980年代の名古屋だが、パート1からのテンションがそのまま受け継がれ、井浦新の若松節も健在だ。監督の井上淳一は、前作の設定が1969年の若松プロの全盛期を描いていたのに対し、今作では名古屋に作られた映画館をメイン舞台に、当時の社会情勢を繊細に描いている。

登場するキャラクターは皆、映画に取り憑かれた変人ばかり。しかし、その変人たちには愛おしさが溢れている。映画愛に溢れ、当時の空気を正確に再現しつつ、ノスタルジーに浸り過ぎない、素晴らしい青春映画となっている。

『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』は、映画ファンにとって見逃せない作品だ。若者たちの熱い情熱と青春の輝きが、スクリーンから溢れ出す。

2024年製作／119分／G／日本
配給：若松プロダクション
劇場公開日：2024年3月15日

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