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映画 リンダとイリナ

 

 

今日は、ギョーム・ブラック監督が手がけた38分間の短編ドキュメンタリー映画「リンダとイリナ」を紹介します。この作品は、フランス北部の町エナン=ボーモンを舞台に、高校生の親友リンダとイリナのひと夏の物語を描いています。

 

ポスター画像

 

リンダとイリナは高校の親友。TikTokを撮ったり、家族や将来の悩みを語り合ったりしながら夏休みを迎えます。しかし、この夏、リンダは引っ越すことが決まっており、二人の友情に複雑な影を落とします。リンダは過去に引っ越しを繰り返してきた経験から、新しい場所に行くと友人の連絡先をすぐにブロックする習慣があり、それは傷つくことを恐れる防衛策です。

対照的に、イリナはブロックされることにショックを受けますが、二人とも傷つきたくないという共通の思いを抱いています。そんな二人がどのように夏を過ごし、友情に向き合うのかがこの映画の見どころです。

激しい展開はないものの、映画はリズム感のある物語で観客を引き込みます。「引っ越したら連絡しない」というリンダの発言は聞く方にとってショックですが、言う方にはそれなりの理由があります。お互いに違う人間であり、家族関係や経験も異なるため、考え方が違うのは当然です。しかし、それを認め合えない二人の様子が切なく描かれています。

特に印象的なのは、二人が海辺で横に並んだシーンです。理解し合えないままでも、退屈しのぎに砂をいじる右手の動きがほとんど同じであることに感動を覚えます。言葉や意識のレベルでは理解できないつながりが二人にはあり、それだけで素晴らしいと感じさせます。

友情の美しさと難しさを描いた心温まる短編ドキュメンタリーです。フランスでも日本でも、女子高生の日常や悩みは普遍的なものであり、時代や場所を超えて共通する部分が多いことを感じさせてくれます

 

2023年製作/38分/フランス
原題:Un pincement au coeur
配給:エタンチェ
劇場公開日:2024年6月15日