2022年2月、ウクライナ東部の都市マリウポリにおけるロシアの侵攻が始まりました。その壮絶な20日間を追ったドキュメンタリー映画『マリウポリの20日間』が、世界に衝撃を与えました。
本作は、AP通信のウクライナ人記者ミスティスラフ・チェルノフと彼の取材チームが、マリウポリの戦火に巻き込まれた人々の姿を追いながら記録したものです。彼らは、ロシア軍による容赦のない攻撃の中で、孤立した市内に取り残された市民の苦境を伝えるため、命がけで取材を続けました。
映画は、チェルノフが現地から配信したニュースや、取材チームが撮影した戦時下のマリウポリ市内の映像をもとに制作されました。そのリアルな映像は、戦争の真実と人間の苦悩を鮮明に伝え、観る者の心に深い感動と考えさせるものを残します。
『マリウポリの20日間』は、2024年の第96回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞し、ウクライナ映画史上初の栄誉を受けました。また、AP通信にはその勇気ある取材が称えられ、ピュリッツァー賞が授与されました。
戦争の中で、人々は本性を曝け出すと言われます。この映画は、その言葉の意味を深く考えさせられる作品です。フィクションではない、真実の戦場の姿が映し出されることで、戦争の不条理さや人間の強さを改めて感じさせられます。
『マリウポリの20日間』は、観る者に戦争の現実とその影響を問いかける作品です。ぜひ、その感動と真実を追体験するために、劇場での鑑賞をお勧めします。
2023年製作／97分／G／ウクライナ・アメリカ合作
原題：20 Days in Mariupol
配給：シンカ
劇場公開日：2024年4月26日
